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曹洞宗 随昌院
〒410-2315
静岡県伊豆の国市田京1075-8

過去の法話

お経に親しむ
消災妙吉祥陀羅尼しょうさいみょうきちじょうだらに~災難を消してくれるお経~」

(令和6年 1月の法話)

陀羅尼だらにとは、不思議な力を持つと信じられている呪文の事で、
その題名の通り、様々な災難を消し去り、
福が訪れるとされる呪文で
略して『消災呪しょうさいしゅ』と呼ばれることもあります。

この陀羅尼は、中国で八世紀に不空ふくうという僧によって訳された
仏説熾盛光大威徳消災吉祥陀羅尼経ぶっせしじょうこうだいいとくしょうさいきちじょうだらに』の中から、
陀羅尼の部分だけを独立させたもので、
次のような由来があります。

浄居天宮じょうごてんぐうという場所で、お釈迦様が神々や聖者に対して、
「もし災難にあった時には、この陀羅尼を唱えれば、
一切の災難は消え去り、福が訪れる」と教えた、というのです。

この陀羅尼は、朝のお勤めの時や、「転読大般若てんどくだいはんにゃ」などの、
ご祈祷の法要の際に読まれています。
その他にもお寺の庫裡くりに祀られた
韋駄天いだてん様に対してこのお経を読んで、
お寺に火災などが起こらないようにお願いをします。

この陀羅尼は「嚢膜三満哆のーもーさんまんだー 母駄喃もとなん 阿𥁊囉底賀多舎おはらちいことしゃー 沙嚢喃そのなん
怛姪他とうじーとう 唵佉佉えんぎゃーぎゃー 佉呬佉呬口ぎゃーきーぎゃーきー……」と始まります。
陀羅尼は訳してしまうと、
その不思議な力が損なわれると考えられているので、
あまり訳す事はありませんが、あえてその意味を訳してみると、
この一節は「不滅の教えを説かれた全ての仏様に、帰依きえ致します。
おお、虚空よ、虚空よ、災いをことごとく飲み尽くしたまえ。
消滅させたまえ」
という意味になります。

心から仏様に帰依致します、という気持ちがあって、
はじめてこの不思議な呪文の功徳があらわれて、
様々な災難を消し去ることができるのでしょう。

昔から曹洞宗では、人々の災難が除かれ、
幸せが訪れることを祈り、
この『消災妙吉祥陀羅尼』を読んできました。