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曹洞宗 随昌院
〒410-2315
静岡県伊豆の国市田京1075-8

過去の法話

お寺の行事と食べ物 ~法戦式ほっせんしきとお赤飯~
(令和5年 5月の法話)

おめでたい行事のある時には、お赤飯がつきものです。
赤飯は餅米に小豆あずきを混ぜて蒸したご飯です。
出来上がりは鮮やかな赤色になり、華やかです。
誕生祝い、七五三、成人式、結婚式など
人生の大事な節目に赤飯が振る舞われ、
綺麗な赤色がお祝いの行事に彩りを添えてくれます。

禅寺ぜんでらにもおめでたい行事があります。
それは法戦式です。
その時にはお赤飯が振る舞われます。

若葉がしげる五月、禅の修行道場では、
法戦式が行われます。
法戦式とはお坊さんが一人前になるための
大事な節目となる、おめでたい行事です。

この行事では首座しゅそと呼ばれる
修行僧のリーダーが主役になります。
首座は修行僧の中から一人だけ選ばれます。
首座に選ばれると住職に代わって
仏教の教えを説くことが任されるのです。

大勢の修行僧が首座に
厳しい質問を投げ掛けます。
その質問に首座は一人で、堂々と答えます。
そればかりではなく逆に質問を投げ返すこともあります。
この様子が、まるで戦いをしているように
激しいところから「法戦式」と言われています。
法戦式での首座の役割はとても大変です。
今までの修行の成果をみんなに見てもらう
大切な行事なのです。

前日には、首座の法戦式を応援するために、
お赤飯を食べ、お茶を飲んでみんなでお祝いします。
この行事を「祝茶しゅくちゃ」と呼びます。

昔からお赤飯に使われる小豆は体に良いとされ、
最近では、お腹の調子を整えるなど、
優れた作用があることも解ってきました。
大切な行事の前日、体調を気遣うためにも、
お赤飯でお祝いするのは最適なのです。