過去の法話
盆と共食
(令和4年 8月の法話)
お盆を迎えました。
盂蘭盆はインドのことば「ウランバナ」の音訳とされます。
ブッタの弟子の目連が地獄に落ちた母を救うため
七月十五日、安居が終わった修行僧に食事を供養し、
その功徳で母が救われたという
『盂蘭盆経』の故事が典拠とされます。
盂蘭盆の、もともとの意味については、
供養の食事を盛った器・盆、苦しみを意味する
倒懸など諸説があります。
故郷を離れている人たちがお墓参りのため、
家族や友人に会うために帰省します。
その基本となるは、やはり「あの世から帰ってくるとされる
亡き人への追慕の想い」でしょう。
ここで大事なのは、あの世から帰ってきたご先祖さま、
帰省した仲間たちみんなが集まって、
一緒に食事をする「共食」の世界です。
共食は人間だけでなく、
動物にも及ぶ仲間確認の大事な営みです。
食事は肉体だけでなく、
心のエネルギーを補給してくれる大事な営みです。