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曹洞宗 随昌院
〒410-2315
静岡県伊豆の国市田京1075-8

過去の法話

超師ちょうし
(令和4年 4月の法話)

四月、多くの人々が新たな環境で頑張っている時期。
そこにはベテランがおり新人がおり、
様々な経験の違いがあります。
禅宗の修行にも師匠がいて弟子がいます。
同じ寺で起居を共にし、切磋琢磨することを通して、
ふれあいが生まれ「以心伝心いしんでんしん」の世界となります。

道元禅師は『学道用心集がくどうようじんしゅう』で「正師しょうし)をえらぶべきこと」を指示します。
修行者を「雲水うんすい」と呼ぶのは、雲の如く水の如く、
正師を求めて遍歴することによります。

教えが伝わることを「一つの器の水を余すことなく
一つの器にうつす」と表現しますが、
それだけでは一人前ではないと百丈懐海ひゃくじょうえかい禅師は、
「見、師とひとしくして、師の半徳を減じ、智、師を過ぎて、
まさに伝授するにえたり。
なんじの今の見処けんじょ
あたかも超師の作有り」と残します。

慈しみ導いてくれた師匠を超えて
どう自分の独自性・個性を出すか。
時処位を超えて通ずることばではないでしょうか。