過去の法話
立春大吉
(令和4年 2月の法話)
おおよそ二月の初旬、わずかな暖房と、
ありったけの着物を重ね着して耐えた冬が
ようやく終わりを告げ、待ちに待った春の到来です。
木札や紙を山門や玄関の柱に貼ります。
大本山永平寺には道元禅師が書かれたという
「立春大吉文」が収蔵されています。
「大吉」の文字が十五回出ることから
「十五大吉文」と呼ばれます。
その内容は三宝(仏法僧)への帰依にはじまり、
寺の繁栄や教えの広まりなどを祈るものです。 中国では新年に当たり、
おめでたい言葉を対にして
赤い紙に書き、門に貼る「春れん」をよく見ます。
中国へ渡って四回の立春を経験された道元禅師。
自身の経験に基づく「大吉文」かもしれません。
「新たに出発する」という想いと願いを
実現するための努力を大切にしたいと思います。