過去の法話
三蔵法師
(令和3年 11月の法話)
三蔵法師というと、『西遊記』に登場する
お坊さんを想像しますね。
でも「三蔵法師」とは一般名詞で、
固有名詞ではないのですよ。
仏教の経蔵・律蔵・論蔵の「三蔵」に精通した
お坊さん(法師)のことを指す言葉です。
三蔵法師として
鳩摩羅什(クマーラジーヴァ)三蔵法師。
彼は中国に渡り、サンスクリット語で説かれた
たくさんの仏典を漢訳しました。
逆に中国からインドに渡ったお坊さんとして
法顕三蔵法師、そして有名な玄奘三蔵法師。
彼らこそが『西遊記』の主人公としても
有名になりました。
また、海路からインドに渡った
義淨三蔵法師という強者もいました。
道元さまも海を渡り、中国で仏道を学ばれましたね。
旅の危険を顧みず、
一途に仏法を求められた高僧のおかげで、
いま手にしている経典があるのですね。