過去の法話
笑顔
(令和3年 10月の法話)
「幸せだから笑うのではない。笑うから幸せなのだ」
十九世紀から二十世紀にかけて活躍した
フランスの哲学者アランは、そう述べました。
一般的には逆に考えますよね。
「幸せだから笑うのだ。
幸せでもないのに笑えないよ」なんて。
しかし二十一世紀初頭、
ドイツ・マグデブルグ大学のミュンテ博士たちの
実験により、このアランの言葉が
裏付けられることとなりました。
彼らの報告によると、
(強制的にせよ)笑顔でものごとを眺めると、
笑顔でない場合と比べて、幸福感が増したそうです。
とても興味深い結果です。
そういえば、如来像や菩薩像の微笑を
アルカイック・スマイルと言いいますが、道元さまも
「ただ まさに やわらかなる容顔をもて 一切に向かうべし」
とおっしゃっています。
私たちも穏やかな笑顔で過ごしましょう。