過去の法話
湧き出る思い
(令和3年 5月の法話)
座禅をしていると、ついつい考えごとが湧いてきます。
道元さまがお示しになった「非思量」とはほど遠く、いつの間にか、思いが湧いてきます。
さらにその思いが物語にまで発展してしまうのも困りもの。
頭のなかで悲喜交々の物語が展開してしまいます。
心が迷走するのに従って、不思議なことに姿勢まで崩れてきます。
これまた困ったことです。
「いやいや、これはいかん!」と頭を振って、
姿勢を正しくするのですが、これも束の間。
知らず知らずにまた思いが湧いてきます。
『禅苑清規』「座禅儀」には次のように書いてあります。
「思いが起こったら、それに気付きなさい
気付けば、その思いは消えていきますよ」
まずは自分の思いにひきこまれず、
素直にその思いに気が付いていくことなのですね。
そして淡々と姿勢を正していきましょう。