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曹洞宗 随昌院
〒410-2315
静岡県伊豆の国市田京1075-8

過去の法話

お粥とお釈迦さま
(令和2年 12月の法話)

二十九歳で出家したお釈迦さまは
解脱げだつをめざして修業を続けましたが、
断食や苦行では悟りが得られませんでした。
苦行では悟れないことに気づいたお釈迦さまは、
スジャータという村人からもらった
乳糜にゅうび(牛乳で炊いた粥)を食べて菩提樹の下で坐禅を始め、
十二月八日にお悟りを開いたのです。

昔は十二月のことを臘月ろうげつと言いましたから、
臘月八日を略して臘八ろうはちとも称しました。
室町時代の国語辞典『節用集』や
江戸時代の百科事典『類聚名物考るいじゅうめいぶつこう』には、
この日に臘八粥という紅糟粥うんぞうがゆを食べたことが記されています。
こうした風習は、中国から伝えられました。

粥譜しゅくふ』には、豆粥・茶粥・芋粥など、
二三〇種の粥が載っていますし、
蘇東坡そとうばの薫陶を受けた北宋の文人・張来ちょうらいは『粥記しゅくき』という本で、
粥を毎朝食べることが健康につながると絶賛しています。