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曹洞宗 随昌院
〒410-2315
静岡県伊豆の国市田京1075-8

過去の法話

無用の意味
(令和2年 11月の法話)

秋が深まって、温かい食べものが恋しい季節になりました。
面白い話を紹介しましょう。

元禄八(一六九五)年の霜月、徳川綱吉の帰依を受けた
護持院大僧正・隆光りゅうこうが寒い夜に登城した時です。

綱吉に命じられてお側の者が「おとき(僧の食事)を差し上げますが、
何か望みはありますか」と聞いたところ、
「今日はことのほか冷えるので狸汁がほしい」と答えました。
綱吉に『生類憐みの令』を行うように勧めた隆光が
狸汁がほしいと言ったので、お城では大騒ぎになりました。

じつは、狸汁は蒟蒻こんにゃく汁のことでした。
蒟蒻は95%以上が水分で、カロリーはほとんどなく、
胃では分解されずに腸へ通過していきます。
そのために、身体によいのです。
食品としてはほとんど栄養のない蒟蒻が
健康に役立つのですから、興味深いと思います。