過去の法話
仏教と食事
(令和2年 5月の法話)
食事は、人間が生きていくために不可欠な営みです。
そのため、仏教においても
食べることに関する教えは数多く示されています。
仏教と食べものというと、
すぐに思い浮かぶのは精進料理ではないでしょうか。
精進料理は肉や魚を用いない料理のことですが、
精進という言葉は料理の意味ではありません。
これは「精魂を込めて努力する」という意味のインドの言葉
ヴィリヤを日本語に訳したものです。
お釈迦さまは食べものについて、
「世間食」と「出世間食」という興味深い教えを示しています。
世間食は「段食」「觸食」「思食」「識食」の四つで、
出世間食は「禅悦食」「願食」「念食」「解脱食」「法喜食」
の五つです。
このうち私たちが食べものと考えているのは段食だけで、
あとはすべて「心の栄養」を意味していることに興味を引かれました。