過去の法話
牡丹餅
(令和2年 3月の法話)
昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われています。
彼岸は春と秋の七日ずつで、その真ん中が春分・秋分の日です。
昼と夜の時間がほぼ同じ長さで、
春分の日の後は北半球では一日ごとに昼のほうが長くなり、
快適な気候が続きます。
木々が芽を出し、小鳥がさえずり、さまざまな花が開きます。
先祖の墓参りをする人も多いでしょう。
その際に、牡丹餅を供える風習も広く行われてきました。
牡丹餅は、餅米とうるち米を混ぜて炊いたものを
軽く搗いてまるめ、小豆餡や、きな粉でくるみます。
起源は定かではありませんが、元禄十年(1937年)に刊行された
人見必大の『本朝食鑑』には、その名が載っています。
一説によると、春彼岸に作るのを牡丹餅と言い、
秋彼岸に作るのをお萩と呼んだそうです。