過去の法話
不動心
(平成30年 12月の法話)
露往霜来のとき。
釈尊の成道会とともに、
坐禅の集い「接心会」が行われます。
ぜひこの機会に、座禅体験はいかがでしょう。
黄門さまと親しまれる徳川光圀は、
東皐心越を師と仰ぎ、坐禅や法話を楽しんでいました。
ある日、光圀は歓談の末に大きな杯を師に勧め、
なみなみと酒を注ぎます。
「いざ召し上がれ」と言われ、師がそれを口にするや否や、
潜んでいた家臣が鉄砲をズドーン!
ところが何ごともなかったように、師はきれいに飲み干しました。
「さあご返杯」と、今度は杯が光圀へ。
再び酒が注がれると、その瞬間に師が「喝っ!」。
酒をこぼして「何をなさる!」と驚く光圀に、
「鉄砲は武門の常、棒喝は禅門の常」と涼しい顔。
試すつもりが試されたという不動心のお話でした。
新年も笑顔と不動心でまいりましょう。