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曹洞宗 随昌院
〒410-2315
静岡県伊豆の国市田京1075-8

過去の法話

平常心へいじょうしん
(平成30年 11月の法話)

五色霜叢ごしきそうりんのとき。各地の山々が紅葉に染まるころ、
二十一日は太祖瑩山たいそけいざん禅師の降誕会ごうたんえです。

瑩山禅師が二十七歳のころ、師の義介ぎかい禅師によって説かれた
「平常心」の教えに深く感銘し、大悟たいごされました。
平常心とは、日常生活そのままが仏道にかなっている心のこと。

瑩山禅師はその境地を

うて茶をきっし、はんうては飯をきっす」

と言い当てたのです。
お茶をいただくときにはありがたくいただく、
食事のときには感謝していただく……。
悟りをも意味する平常心は、決して特別な境地ではなく、
当たり前を当たり前として俯瞰ふかんする“真実の世界”なのです。

「水 急 不流 月(みず せわしくして つきを ながさず)」
という禅語を、何気ない喫茶喫班きっさきっぱんであっても、
日常に流されない”真実の姿”としてとらえたとき、
急流にも流されずに輝く一つの月を見つけることでしょう。