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曹洞宗 随昌院
〒410-2315
静岡県伊豆の国市田京1075-8

過去の法話

慈心じしん
(平成30年 8月の法話)

九夏三伏きゅうかさんぷくのとき。
7月から8月は、全国的にお盆の季節です。
お盆には、ご先祖様へのお参りをはじめ、
家族や友人たちとの再会という喜びがあります。

仏教は人が人を拝むことを根本としますが、
そこには常に慈しみの心があります。
すべての命に傾ける優しさ、「慈心」です。
しかしただ見た目の優しさだけでは慈心とは呼べません。

ある日、恵心僧津源信えしんそうづ・げんしん
境内に迷い込んで草を食んでいる鹿を見つけました。
すると源信は人を使って打ちたたき、容赦なく追い払ったのです。
それを見ていた人が「何と無慈悲な……。
草が惜しくて鹿を苦しめるのですか」と尋ねると、
源信は「もしこの鹿を打たなかったら、鹿は人を怖がらなくなり、
やがて命を落とすだろう……」と答えたということです。
かくも、慈心には、見た目ではわからない奥深さがあるものです。