過去の法話
道心
(平成30年 5月の法話)
八十八夜のとき。
真新しいスーツ姿の新入社員たちも、
着こなしが馴染んでいますね。
そんなときこそ、本来の自分の目指すべき道を
しっかり見つめたいものです。
道元禅師によれば、
海の中には「龍門」という伝説の門があるそうです。
波がしきりに打ち寄せるそこは、
通り過ぎた魚たちが次々に龍神となるのです。
しかし、そんな伝説の龍門だからといって、
特別に波が違っているのではありません。
海水も、どことも同じように塩からいのです。
ただ龍門という尊い門をくぐることによって、
小魚でも偉大な龍神となるのです。
自分にとって、志に通じる門はどこにでもあるはず。
大事なのは しっかりと己の志を見据えて挑戦し、
そこを通過する勇気です。
登竜門の故事はそれを教えています。
さあ、新緑が鮮やかな五月です。
希望とともに陽光の道を歩みましょう。