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曹洞宗 随昌院
〒410-2315
静岡県伊豆の国市田京1075-8

過去の法話

柔軟心じゅうなんしん
(平成30年 2月の法話)

三寒四温さんかんしおんのとき。
涅槃会ねはんえのころには、寒風に春に温もりを感じる瞬間ときがあります。

坐禅は私たちの心の目を開かせるもの。
先入観を捨てて、澄み切った気持ちで世界を見渡せば、
冬の中にも春の息吹を、
夏の日差しに秋の落葉を見出すことが出来るでしょう。
こうした見た目にとらわれない自由自在な心を
禅語で「柔軟心」といいます。

唐の『龐居士語録ほうこじごろく』に、
「鉄船水上浮(てっせんすいじょうにうかぶ)」とあります。
昔の人にとって、鉄の塊が水に浮かぶなどあり得ないことでした。
しかし今は大型船が河海に浮かび、飛行機が空を飛び交っています。
いつの時代も、人間は先入観や思い込みを打ち破ることで、
常識を乗り越えてきたことを忘れてはなりません。

山河大地はいつも真実いっぱいの姿を現しています。
そこから何を学ぶかは、
私たち自身の曇りなき心眼にかかっているのです。