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羅漢講式
(平成29年 11月の法話)
修業道場の大変重要な法要、「羅漢講式」を紹介いたします。
まず「講式」とは何でしょうか。
それは、仏や菩薩、祖師などの徳を讃える法要です。
この法要では、祭文という供養の対象を讃える言葉や、
式文という具体的な行蹟や功徳を述べた文章が唱えられます。
その間には、「声明」という
独特の節回しのお唱えをいたします。
これは、宗教音楽ともいえる荘厳なものです。
曹洞宗には、両祖忌の「報恩講式」、達磨忌の「達磨講式」、
さらに「観音講式」など、幾つかの講式があります。
その中でも、安居の始まる前に行われる
「羅漢講式」は特別な講式です。
それは道元禅師が、永平寺において行った講式だからです。
禅宗というと、坐禅修行ばかりと思われがちですが、
このように仏や菩薩・羅漢の行蹟を讃え、
その徳を慕う法要が行われているのです。
それは同時に、多くの檀信徒の方々への供養に繋がるのです。