過去の法話
達磨忌
(平成29年 10月の法話)
起き上がり小法師のような、赤い人形のダルマさま。
縁起物としてご自宅に飾られている方もいらっしゃるでしょう。
この達磨さまは、インドの王子でした。
仏教に帰依し、長い間、禅の修行を積み、
そしてはるばる海を渡って中国にその教えを伝えました。
その達磨さまが亡くなられたのが、十月五日。
この日に達磨忌という法要を行います。
達磨さまは、中国に初めて禅の教えを伝えたので、
「震旦初祖(※中国における最初の祖)」と呼ばれます。
禅の教えは、唐の時代になると中国全体に広がっていきました。
そうした大きな流れの最初、
一滴を垂らしたのが、達磨さまなのです。
達磨さまが中国に渡ってこなければ、
禅の教えは伝わらなかったかも知れません。
禅宗を最初に伝えた大切な方である達磨さまの努力と
その教えをしのび感謝の供養を執り行います。