過去の法話
安居
(平成29年 5月の法話)
両本山などの修行道場では、この時期「安居」という
特別の修行期間に入ります。
これは、別名「百日禁足」ともいわれ、
三ヵ月にわたり道場から出ることなく、
一心に修行に励むのです。
では、なぜこのような修行を行うのでしょうか。
これは古代のインド、お釈迦さまの時代にまでさかのぼります。
インドは日本と異なり、季節が大きく雨季と乾季に分かれます。
この雨季のころは、道もぬかるみ、川もあふれ、
歩くこともままなりません。
さらに、動植物が活発に動き始める時期でもあり、
誤って踏みつける危険もあります。
ですから地方を巡って修行するのではなく、
一ヵ所に集まって研鑽する時期と定めました。
これを夏安居・雨安居と呼ぶのです。
さらに中国では、冬の寒さが厳しいので、
この時期も集まって修行を行う期間としました。
これを冬安居・雪安居と呼ぶのです。
僧堂は、このように期間を定め、修行に励んでいるのです。