過去の法話
問訊(もんじん)
(平成28年 5月の法話)
「問訊」とは、合掌し、体を曲げ、頭を低く垂れる作法のことです。
法要中に行なうだけでなく、廊下などですれちがう際にも、
「問訊」をします。
もとは、インドにおける挨拶作法のひとつで、
師匠・年輩者などに対し、合掌低頭(ていず)し、
その起居(ききょ)安否をたずね、挨拶としました。
「問訊」の「問」も「訊」も、たずねるという意であるのも、
ここからきているのでしょう。
後に、禅宗が、作法として用いるようになりました。
インドでは言葉を発する「問訊」であったものが、
禅宗では、無言にて合掌低頭をする「問訊」になりました。