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曹洞宗 随昌院
〒410-2315
静岡県伊豆の国市田京1075-8

過去の法話

本尊さま(平成24年 11月の法話)

曹洞宗の本尊さまは "南無釈迦牟尼仏" お釈迦さまであります。
お寺によっては、観音さま、薬師さま、地蔵さまなどを
本尊におまつりしてありますが、それは、そのお寺を建てた由来や、
その当時の土地の事情による特別なもので、
曹洞宗の本尊さまというときは、お釈迦さまであります。
ですから、檀家のお仏壇の本尊さまも
お釈迦さまをおまつりすることになります。
拝むときは「南無釈迦牟尼仏」と、お唱えいたします。

お釈迦さまは、今から二千五百余年前、
インドのカピラ国の皇太子としてお生まれになり、
成年になられてから"お妃"を迎えられ、
"ラゴラ"というお子さままで出来たのでしたが、
世の人々を、生老病死の四つの苦しみから救うために、
皇太子の位も、お妃も、お子さまも一切のきずなを断ちきり、
山にのぼって修行者の仲間入りをされました。
そして六年という長い年月を、
想像することもできない激しい荒修行を重ね、
身体は痩せ細り、目はくぼみ、
見るも痛々しいお姿に変わられましたが、
いっこうにお心を満たすことができず、遂に荒修行に見切りをつけ、
ニレンゼン河の流れでお身体を洗い浄め、
スジャータという娘のささげた乳糜を受けて元気を快復され、
菩提樹という木のもとに、吉祥草という柔らかい草を敷き
"坐禅の行"にはいられたのであります。

幾日かたった、十二月八日の夜明け、明星をご覧になると同時に、
実に偉大な、それは誰も一度も経験したことのない
尊い心境に達せられました。