令和5年 11月の法話
お寺の行事と食べもの ~「禅寺とたくあん」~
冬の寒さが一段と厳しくなる頃、
日本各地でたくあんの漬け込みが行われます。
たくあんは日本の漬け物の代表です。
大根を天日に干し、塩と糠を加えて漬け込みます。
冬の寒風に当てて乾かすと、大根の水分が抜けて、
甘みが際立ってきます。
そして、塩に漬け込むことにより、
長い間保存できるので、
一年を通して食べることができます。
このたくあんを考え出したのは、
江戸時代の初めに活躍した禅宗の名僧、
沢庵禅師だと言われています。
禅宗には、中国から伝わった
大根などの塩漬けが古くからあったそうです。
しかし、これは塩辛いだけのものでした。
この漬け物に、米糠などを入れて甘みをつけるなど
改良したのが沢庵禅師だそうです。
禅寺の食事では、このたくあんが欠かせません。
たくあんなどの漬け物は香菜と呼ばれ、
毎回の食事で必ず食べます。
毎年冬になると、多くの禅寺で
たくあんを漬ける姿がみられます。
大本山永平寺では、十一月末頃、冬の寒さの中、
たくあん作務と呼ばれる修行僧による
一年分のたくあんの漬け込み作業が行われます。
永平寺では約三百人にのぼる
大勢の修行僧が暮らしています。
この修行僧が毎日食べるたくあんを数日かけて漬けるのです。
使う大根は一万本に及ぶ時もあります。
人が何人も入ってしまうような大きな木の樽をはじめ、
大小様々な樽にびっしりと大根が敷き詰められていきます。
伝統的な方法を守り、一本一本丁寧に、
修行僧の手によって漬けられます。
このたくあん作務、今では毎年恒例の行事となっています。
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